貴重な水戸藩南郡地方の歴史を伝える史料館がオープン

文化振興 2025年03月30日

         行方大塲家歴史資料館開館式典を開催

 水戸藩の大山守や関係郷村庄屋を務めた大塲氏代々が記録保存してきた多くの近世史料を所有する大塲家等を構成員とする公益財団法人大山守大塲家保存協会が設置管理する「行方大塲家歴史資料館」が完成しました。

 令和7年3月29日(土)10時から開館セレモニーが開催され、式典の中で理事長の大塲憲正氏から故大塲正二氏の財団設立と当該博物館設置に尽力された熱い想いが紹介されました。

 大塲家の史料調査ならびに郷士屋敷の茨城県指定については、当時玉造町教育委員会社会教育主事の川島先則氏(現:小美玉市在住、小美玉市古文書研究会幹事)が当時茨城大学教授の鈴木映一先生(現:茨城大学名要教授)等と茨城歴史館に働きかけを行い所蔵資料の調査を実施したものです。その後、玉造町古文書調査委員会リーダーの池上和子氏(個人)により新たな史資料の調査成果等により新たな貴重な古文書が発見され現在に至っています。

 また、大塲家郷士屋敷については、昭和63年に当時社会教育主事・文化財担当であった髙埜栄治氏(現:鹿行地方文化研究会理事)が故大塲正二氏と協議の上、母屋1棟・表門(長屋門)1棟・通用門(薬医門)1棟に加え、江戸時代の家屋建築に当たり重視した家相図2枚についても貴重な文化財史料として盛り込み茨城県文化課に申請し、翌年平成元年4月6日付けで茨城県指定有形文化財(建造物)の指定を受けたものです。

 当日、午後2時から開催された久信田喜一館長の記念講演「大場家の歴史」及び「大塲家歴代」紹介の展示では、財団設置の基本的な考え方に関する文化財としての「大山守大場家住宅」に触れられておらず、史料調査に重きをおくような展示や発言があり、参加者の発言から財団運営の組織等についても不透明な感じを受け止めていた方もあったようです。久信田会長からも大場家活用に関して行政との連携を申し入れましたが行方市では協力体制をもたないとの回答があった旨紹介がありました。

【写真】

セレモニーでテープカットをする大塲憲正氏と久信田喜一館長(中央二人:左・右)

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